<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?>
<rss version="2.0">
   <channel>
      <title>Kingyou</title>
      <link>http://www.kingyou.org/</link>
      <description></description>
      <language>ja</language>
      <copyright>Copyright 2010</copyright>
      <lastBuildDate>Mon, 22 Feb 2010 22:37:25 +0900</lastBuildDate>
      <generator>http://www.sixapart.com/movabletype/</generator>
      <docs>http://blogs.law.harvard.edu/tech/rss</docs> 

            <item>
         <title>「優駿」宮本輝</title>
         <description><![CDATA[<blockquote style="MARGIN-RIGHT: 0px" dir="ltr">
    <p>
        生れる仔馬が牡馬でありますように。風の申し子のように速く、嵐みたいに烈しく、名馬の天命をたずさえて生れますように…。若者の祈りに応えて、北海道の小さな牧場に、1頭のサラブレッドが誕生した。オラシオン(祈り)と名づけられた仔馬は、緑と光の原野のなかで育ち、順調に競走馬への道を歩みはじめるが、それと共に、登場人物ひとりひとりの宿命的な劇が、幕を開けた―。吉川英治文学賞受賞。
    </p>
</blockquote>
<p>
    わが家から歩いて１０分程度のところに大学の馬術部用の馬場があって、休日に娘と散歩で通ることにしている。<br />
    娘にとっては犬猫以外の動物を見れるチャンスとあって、運良く馬術部の練習時間に行き当たった場合は「パパとお馬さん見たの。」と妻に自慢げに報告している。<br />
    私にとって馬とはそうしたものである。
</p>
<p>
    この「優駿」が映画で上映され武豊のような人気ジョッキーがでてきたこともあって、競馬のイメージが少し変わった。<br />
    単なる賭け事の一環として捉えられていた競馬に、馬券は買わないけど馬を見に行きたいという若者達が進出してきた。<br />
    私の身の回りでも、どの馬券を買ったという話ばかりでなく、どの馬が素敵だとか話す友達が何人も居たが、私は結局、競馬にも馬にも武豊にも興味を見出せなかった。
</p>
<p>
    「サラブレッド」という言葉は人間にも使われる。<br />
    生まれが良くてエリートな人とかをよくそう言う。<br />
    基本的には褒め言葉だと思うけれど、私には揶揄する言葉のように思える。<br />
    「優駿」を読み、競走馬にとって血統というものがいかに重要視されているかを知るにつけ、そうした良い馬の子で無ければ良い馬にならないといったガチガチの考え方に反感を抱く。<br />
    本当のところは、遺伝的要素が競走馬に向いているいないの要素になり得るのかもしれないが、ならば人間も優れた人の血筋でなければ優れた人にはなれないというのか、と考え、暗澹とする。<br />
    所詮凡庸な血に生まれた私は凡庸であり、その子供である娘もまた凡庸でしかなく……それでは夢もへったくれも無い。
</p>
<p>
    オラシオンのレース展開には手に汗を握ったけれど、じゃあ競馬でも見に行ってみようという気は一向に起こらず、私と娘は凡庸な目で近所の馬場を走る凡庸な馬を散歩がてらに見に行くことで十分だと思った。&nbsp;
</p>
<p>
    <a id="amazletlink" href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4101307067/kingyou-22/ref=nosim/" name="amazletlink" target="_blank"><img style="BORDER-BOTTOM: medium none; BORDER-LEFT: medium none; BORDER-TOP: medium none; BORDER-RIGHT: medium none" alt="優駿〈上〉 (新潮文庫)" src="http://ecx.images-amazon.com/images/I/51UVAQYMnkL._SL160_.jpg" /></a> <a id="amazletlink" href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4101307075/kingyou-22/ref=nosim/" name="amazletlink" target="_blank"><img style="BORDER-BOTTOM: medium none; BORDER-LEFT: medium none; BORDER-TOP: medium none; BORDER-RIGHT: medium none" alt="優駿〈下〉 (新潮文庫)" src="http://ecx.images-amazon.com/images/I/51w6EuoavwL._SL160_.jpg" /></a>
</p>
<p>
    &nbsp;
</p>]]></description>
         <link>http://www.kingyou.org/arcives/2010/02/post_192.php</link>
         <guid>http://www.kingyou.org/arcives/2010/02/post_192.php</guid>
                  <category domain="http://www.sixapart.com/ns/types#category">BOOK</category>
        
                  <category domain="http://www.sixapart.com/ns/types#tag">宮本輝</category>
        
         <pubDate>Mon, 22 Feb 2010 22:37:25 +0900</pubDate>
      </item>
            <item>
         <title>「鏡の国のアリス」ルイス・キャロル</title>
         <description><![CDATA[<blockquote style="MARGIN-RIGHT: 0px" dir="ltr">
    <p>
        煖炉の上の鏡をくぐりぬけ、アリスはまた奇妙な冒険に飛びこんだ。おしゃべりをする花たち、編物をするヒツジ、ハンプティ・ダンプティ、ユニコーン、赤の女王etc.鏡の国をさまよっていると、つぎつぎに不思議な住人たちがあらわれて、気がつくとアリス自身も女王さまに―。チェスのゲームを物語に織りこんだ夢とユーモアあふれるファンタジーを金子国義のオリジナル挿画で贈る。
    </p>
</blockquote>
<p>
    前作には、有名なチョッキのウサギとトランプの女王が出てきたが、今回は、前回全く出番の無かった飼い猫のダイナやあの有名なハンプティ・ダンプティが出てくる。<br />
    ２作品通して読んだ感想としては、なんでこうキレキャラの奴ばかり出てくるのか、ということ。正直、いろいろ不思議な出会いがあるのは楽しみだけれど、その殆どがイライラしていて、アリスも不愉快な思いをしながらイライラしている。<br />
    こうもイライラばかりだと、お尻の座りも悪く、もっと穏やかに楽しく不思議の国を旅することは出来ないのかと思ってしまう。
</p><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4102401024/kingyou-22/ref=nosim/" name="amazletlink" target="_blank" id="amazletlink"><img style="BORDER-BOTTOM: medium none; BORDER-LEFT: medium none; BORDER-TOP: medium none; BORDER-RIGHT: medium none" alt="鏡の国のアリス (新潮文庫)" src="http://ecx.images-amazon.com/images/I/51bTB3WNiIL._SL160_.jpg" /></a>]]></description>
         <link>http://www.kingyou.org/arcives/2010/02/post_191.php</link>
         <guid>http://www.kingyou.org/arcives/2010/02/post_191.php</guid>
                  <category domain="http://www.sixapart.com/ns/types#category">BOOK</category>
        
                  <category domain="http://www.sixapart.com/ns/types#tag">ルイス・キャロル</category>
        
         <pubDate>Sun, 07 Feb 2010 23:35:00 +0900</pubDate>
      </item>
            <item>
         <title>「不思議の国のアリス」ルイス・キャロル</title>
         <description><![CDATA[<blockquote style="MARGIN-RIGHT: 0px" dir="ltr">
    <p>
        ある昼下がりのこと、チョッキを着た白ウサギを追いかけて大きな穴にとびこむとそこには…。アリスがたどる奇妙で不思議な冒険の物語は、作者キャロルが幼い三姉妹と出かけたピクニックで、次女のアリス・リデルにせがまれて即興的に作ったお話でした。1865年にイギリスで刊行されて以来、世界中で親しまれている傑作ファンタジーを金子国義のカラー挿画でお届けするオリジナル版。
    </p>
</blockquote>
<p>
    うちの２歳になったばかりの娘に絵本の読み聞かせなんかをよくしてあげたりするのだけれど、こちらでいろいろと興味を引こうと思って面白おかしく読むようにしている甲斐があって、「もう一回（読んで）！」と言ってくれる。<br />
    絵本なんかを読んでいる時はいいが、じゃあ何かお話して、とルイス・キャロルのようにせがまれたとき、私はちゃんと即興で面白いお話を作り上げられるかというと若干不安がある。<br />
    この本を読むにつけ、通常の童話にあるような教訓や何かのような、大人から子供への想いといったものがなく、純粋に子供を楽しませようと思う発想に満ちていて潔いなぁと思わされた。<br />
    幼い少女をこよなく愛した……という紹介文に怪しさを感じないことはないが、私としては、ルイス・キャロルは本当に子供を喜ばせることが好きだった人なのかな、と思っている。
</p><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4102401016/kingyou-22/ref=nosim/" name="amazletlink" target="_blank" id="amazletlink"><img style="BORDER-BOTTOM: medium none; BORDER-LEFT: medium none; BORDER-TOP: medium none; BORDER-RIGHT: medium none" alt="不思議の国のアリス (新潮文庫)" src="http://ecx.images-amazon.com/images/I/51GCGr1DuML._SL160_.jpg" /></a>]]></description>
         <link>http://www.kingyou.org/arcives/2010/02/post_190.php</link>
         <guid>http://www.kingyou.org/arcives/2010/02/post_190.php</guid>
                  <category domain="http://www.sixapart.com/ns/types#category">BOOK</category>
        
                  <category domain="http://www.sixapart.com/ns/types#tag">ルイス・キャロル</category>
        
         <pubDate>Sun, 07 Feb 2010 23:20:39 +0900</pubDate>
      </item>
            <item>
         <title>「山田さんの鈴虫」庄野潤三</title>
         <description><![CDATA[<blockquote style="MARGIN-RIGHT: 0px" dir="ltr">
    <p>
        今日も私は、庭の木に括りつけたかごの牛脂をつつきに来る四十雀を部屋の中から眺めている―バラの花は例年のように蕾をつけ、鈴虫は「お帰りなさい」と夫婦を迎え、子や孫たちの便りがほほ笑みを運び込む。季節のめぐりのなかで変わらずに続く、老夫婦ふたりの静かで喜びに満ちた日々を描いた傑作長篇小説。
    </p>
</blockquote>
<p>
    別名が付いているが、内容的には先日読んだ『せきれい』の続編……というか、その後の変わること無い日常である。<br />
    が、自分の家族であるかのように親しみを感じる庄野一家の人々が微妙に年齢を重ねているわけで、孫が結婚！なんていったら、自分の親戚かなんぞのように何となくおめでたい気がしてくるから不思議だ。
</p>
<p>
    こういうものを読むにつけ、日記というものもいいものだな、と思うが、実際には庄野先生のようにノホホンとしたいい日記が書ける訳ではなく、大抵は陰々滅々としたジメジメ文で自滅していくに違いが無いわけで、やはり後悔が先に立ってしまうわけである。
</p><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4167694026/kingyou-22/ref=nosim/" name="amazletlink" target="_blank" id="amazletlink"><img style="BORDER-BOTTOM: medium none; BORDER-LEFT: medium none; BORDER-TOP: medium none; BORDER-RIGHT: medium none" alt="山田さんの鈴虫 (文春文庫)" src="http://ecx.images-amazon.com/images/I/419tBaCbFyL._SL160_.jpg" /></a>]]></description>
         <link>http://www.kingyou.org/arcives/2010/02/post_189.php</link>
         <guid>http://www.kingyou.org/arcives/2010/02/post_189.php</guid>
                  <category domain="http://www.sixapart.com/ns/types#category">BOOK</category>
        
                  <category domain="http://www.sixapart.com/ns/types#tag">庄野潤三</category>
        
         <pubDate>Sun, 07 Feb 2010 23:00:21 +0900</pubDate>
      </item>
            <item>
         <title>「ポー・シャドウ」マシュー・パール</title>
         <description><![CDATA[<blockquote style="MARGIN-RIGHT: 0px" dir="ltr">
    <p>
        エドガー・アラン・ポーが死んだ。彼の文学をこよなく愛し、文通もしていた弁護士クウェンティン・クラークは、不可解な「最後の五日間」の真相を突き止めようと決意。名探偵デュパンのモデルと思しき犯罪分析の天才デュポントの協力を仰ぐべくパリに渡る。だが、自分こそ本物のモデルだと主張する“デュパン男爵”が現れ…。『ダンテ・クラブ』の著者が放つ瞠目の歴史スリラー。
    </p>
</blockquote>
<p>
    私がまだ幼稚園児位だった頃、寝る前、母親に本を読んで貰うのが日課だったことがあった。<br />
    だいたいは姉の持っていた世界童話全集みたいな絵本を読んでもらうのだけれど、それに飽きたのかどうか、偶には怖い大人の本でも読んでくれとせがんで読んで貰ったのが、『モルグ街の殺人』や『黒猫』といったエドガー・アラン・ポーの小説だった。<br />
    正直、幼稚園児の頭では話の内容がどれほど理解できたのか怪しいもので、ただ挿絵にあった黒猫が怖かったのと、エドガー・アラン・ポーの肖像がやけに優等生っぽい感じだったのが印象に残っていた。
</p>
<p>
    その後何年かして、江戸川乱歩に夢中になった挙句にエドガー・アラン・ポーを再読することになるのだけれど、『黒猫』や『黄金虫』には多少興味をそそられたものの、名探偵デュパンが登場する『モルグ街の殺人』は世の中が絶賛するほど面白いとは思えなかった。
</p>
<p>
    この本の主人公クウェンティン・クラークに対しても、その時とまったく同じ感覚を覚えた。<br />
    このアメリカ人はエドガー・アラン・ポーの死にいきなり謎が隠されていると頭に血を上らせて、謎の解明に奔走する。……そこから導き出された結論には、アメリカ文学界が抱える謎に迫るものがあったのかも知れないが、日本の一読者の私には、そもそもこのクラーク君が何ゆえそんなに夢中になり、何ゆえそんなに固執しなければならないのか、という心情が全く分からず、寧ろ謎なのはクラーク君の脳みそに他ならなかった。
</p>
<p>
    後書等を読んでみると、この本で描かれたエドガー・アラン・ポー最後の五日間の真相は全く新しいものであり、作者が研究の末にその仮説を考えたとある。<br />
    そうした学問的な内容を小説の形式にして世に広く問うというやり方は、非常に好ましい。……であるがゆえにこそ、もっと上手に物語を書いてください、と頭を下げてお願いしたい。
</p>
<p>
    <a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4102163530/kingyou-22/ref=nosim/" name="amazletlink" target="_blank" id="amazletlink"><img style="BORDER-BOTTOM: medium none; BORDER-LEFT: medium none; BORDER-TOP: medium none; BORDER-RIGHT: medium none" alt="ポー・シャドウ 上巻 (新潮文庫)" src="http://images-jp.amazon.com/images/G/09/icons/books/comingsoon_books.gif" /></a> <a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4102163549/kingyou-22/ref=nosim/" name="amazletlink" target="_blank" id="amazletlink"><img style="BORDER-BOTTOM: medium none; BORDER-LEFT: medium none; BORDER-TOP: medium none; BORDER-RIGHT: medium none" alt="ポー・シャドウ〈下〉 (新潮文庫)" src="http://images-jp.amazon.com/images/G/09/icons/books/comingsoon_books.gif" /></a>
</p>]]></description>
         <link>http://www.kingyou.org/arcives/2010/02/post_188.php</link>
         <guid>http://www.kingyou.org/arcives/2010/02/post_188.php</guid>
                  <category domain="http://www.sixapart.com/ns/types#category">BOOK</category>
        
                  <category domain="http://www.sixapart.com/ns/types#tag">マシュー・パール</category>
        
         <pubDate>Sun, 07 Feb 2010 22:50:33 +0900</pubDate>
      </item>
            <item>
         <title>「せきれい」庄野潤三</title>
         <description><![CDATA[<blockquote style="MARGIN-RIGHT: 0px" dir="ltr">
    <p>
        &nbsp;四季を彩る庭の花、賑やかな鳥たちの訪れ、食卓を賑わす旬のもの、懐かしい歌とピアノの音色、善き人びとの去来……。変わるものと変わらぬもの。静かだけれど、本当に豊かな暮らしがここにある。子供たちが独立し、山の上のわが家に残された老夫婦が送る、かけがえのない日々を透徹した視点で描く傑作長編。
    </p>
</blockquote>
<p>
    読書にも、縁というものがあるわけで、恐らく、私が今ここに越してきて住んでいなければ、庄野潤三という作家、この「せきれい」という本にそれ程夢中になることは無かったと思う。<br />
    冷静に読めば、老人の淡々とした日常を日記のように繰り返しパラパラと綴っているだけのこの本に、どれだけの文学的価値があるのかは疑問である。<br />
    ただ、それが、うちのすぐ近所であり、ついこの前まで生きていた作家の書いた本だとなると、いろいろな意味が加わってくる。……それが縁なのだと思う。
</p>
<p>
    買い物に行く近所のスーパー。駅付近の中華料理屋。隣駅の地名や自然の風景。どれをとっても馴染みのあるものばかりであり、そこにほっこりと生活していた老夫婦の日常が手に取るように思い浮かんでくる。<br />
    心残りなのは、この書を手にしていながら、庄野潤三死去のニュースが報道されるまで手にとって読むことが出来なかったこと。
</p>
<p>
    週末の日課となっている、娘との散歩には、必ず山の上の庄野宅の辺りを通ることにしている。<br />
    この道を毎日散歩していた小説家の姿に思いを馳せながら。
</p><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4167694018/kingyou-22/ref=nosim/" name="amazletlink" target="_blank" id="amazletlink"><img style="BORDER-BOTTOM: medium none; BORDER-LEFT: medium none; BORDER-TOP: medium none; BORDER-RIGHT: medium none" alt="せきれい (文春文庫)" src="http://images-jp.amazon.com/images/G/09/icons/books/comingsoon_books.gif" /></a>]]></description>
         <link>http://www.kingyou.org/arcives/2009/12/post_187.php</link>
         <guid>http://www.kingyou.org/arcives/2009/12/post_187.php</guid>
                  <category domain="http://www.sixapart.com/ns/types#category">BOOK</category>
        
                  <category domain="http://www.sixapart.com/ns/types#tag">庄野潤三</category>
        
         <pubDate>Sun, 13 Dec 2009 23:55:00 +0900</pubDate>
      </item>
            <item>
         <title>「プールサイド小景・静物」庄野潤三</title>
         <description><![CDATA[<blockquote style="MARGIN-RIGHT: 0px" dir="ltr">
    <p>
        &nbsp;大金を使い込み、突然会社をクビになった夫。妻が問いただすと、つらい勤めの苦痛や不安を癒すため毎晩のようにバーに通いつめていたという。<br />
        平凡な中年サラリーマンの家庭に生じた愛の亀裂……日常生活のスケッチを通し、小市民のささやかな幸福がいかに脆く崩れやすいものかを描いた芥川賞受賞作「プールサイド小景」、家庭の風景を陰影ある描写で綴った名作「静物」など全７編を収録。
    </p>
</blockquote>
<p>
    私の家庭は夫婦共働きである。<br />
    妻は正社員として働いているが、家事育児にもウエイトを置いて働いているため、残業が出来なかったり、家に帰ってもやることがいっぱいだったり、いろいろ大変だろうと思っている。<br />
    私自身は勤めの性格上どうしても残業が多くなり勝ちで、疲れも溜まるし、ゆっくり家に居られるも余りなく、”つらい勤めの苦痛や不安”というものが発生しないわけではないだろう。<br />
    が、自分より妻の方が大変でストレスも抱えていることを思えば、苦痛を癒すなんてことを考えたりすることは出来ない。<br />
    寧ろ、もっと仕事を効率化して、家事育児に手を出すことが出来ないかと考えたり悩んだりする。
</p>
<p>
    この小説が売れた時代には、男性社会の一方的な主張として”つらい勤めの苦痛や不安を癒す”ためにバー通いなんかしたかも知れないが、今家庭を持った男性諸氏が悩みに思うことは、この小説に現れているようなこととは、またちょっと違ってきているのではないか。<br />
</p><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4101139016/kingyou-22/ref=nosim/" name="amazletlink" target="_blank" id="amazletlink"><img style="BORDER-BOTTOM: medium none; BORDER-LEFT: medium none; BORDER-TOP: medium none; BORDER-RIGHT: medium none" alt="プールサイド小景・静物 (新潮文庫)" src="http://ecx.images-amazon.com/images/I/518ZD6GQR2L._SL160_.jpg" /></a>]]></description>
         <link>http://www.kingyou.org/arcives/2009/12/post_186.php</link>
         <guid>http://www.kingyou.org/arcives/2009/12/post_186.php</guid>
                  <category domain="http://www.sixapart.com/ns/types#category">BOOK</category>
        
                  <category domain="http://www.sixapart.com/ns/types#tag">庄野潤三</category>
        
         <pubDate>Sun, 13 Dec 2009 23:10:31 +0900</pubDate>
      </item>
            <item>
         <title>「Ｒ．Ｐ．Ｇ．」宮部みゆき</title>
         <description><![CDATA[<blockquote>
    <p>
        住宅地で起きた殺人事件。殺された男性はインターネットの掲示板上で「疑似家族」を作っていた。殺人に関わりが？　虚実が交錯し、見えてきたものは…文庫書下ろしミステリー！
    </p>
</blockquote>
<p>
    私もネットの世界には少なからず足を踏み入れてきた。<br />
    チャットで不特定多数の人々と話をしたこともあるし、オンラインゲームにはまり込んでいたこともある。<br />
    始めはあたらし物好きの嗜好で、こんなことも出来るのか、と構えながらやっているが、次第に新しいものをツールとして使いこなせるようになると、普通に周りとコミュニケーションを取りながら楽しんでいる。<br />
    しかしそれはこの小説にあるとおり、RPG……役割を演じている……ということであり、電源をオフすれば、否応ない現実の自分がいる。<br />
    ネットの世界というものがどんどん拡大して行っている今の世の中で、自分はどうそれを捉えて利用していけばいいのか、なかなか難しい問題なのではないか、と思う。
</p><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/408747349X/kingyou-22/ref=nosim/" target="_blank" name="amazletlink" id="amazletlink"><img style="BORDER-RIGHT: medium none; BORDER-TOP: medium none; BORDER-LEFT: medium none; BORDER-BOTTOM: medium none" alt="R.P.G. (集英社文庫)" src="http://ecx.images-amazon.com/images/I/41K42K3C6YL._SL160_.jpg" /></a>]]></description>
         <link>http://www.kingyou.org/arcives/2009/11/post_185.php</link>
         <guid>http://www.kingyou.org/arcives/2009/11/post_185.php</guid>
                  <category domain="http://www.sixapart.com/ns/types#category">BOOK</category>
        
                  <category domain="http://www.sixapart.com/ns/types#tag">宮部みゆき</category>
        
         <pubDate>Mon, 16 Nov 2009 00:50:22 +0900</pubDate>
      </item>
            <item>
         <title>「フィネガンズ・ウェイク」ジョイス</title>
         <description><![CDATA[<blockquote>
    <p>
        数千年の人類の全歴史を酒場の家族の一夜の夢に圧縮した抱腹絶倒、複雑怪奇な傑作の幕開き。
    </p>
</blockquote>
<p>
    言葉には色があり、匂いがあり、それを別な視点で構築することで、新たな文学が出来上がる。それはカンバスに絵具をひとつひとつ置いていくことで、ひとつの絵具の色からは想像もつかないような絵画が出来上がるのと同様に……２０代前半の私は、こんなことを夢想した。<br />
    そして、その夢想が失敗した形で結実したのが、この「フィネガンズ・ウェイク」の姿なのではないか、と思った。
</p>
<p>
    繰り返し、“解説”に書かれているように、この小説は難解だ。<br />
    言葉ひとつひとつが全く別の意味を持ったり持たなかったり、意味自体を持たなかったり。そうした茫洋とした言葉の海を眺め渡し、ちょっと舟を漕ぎいれたところで、私は、<br />
    「これは日本語訳で読むべきものでは無かった。」<br />
    と、分かりきったことを後悔し始めた。<br />
    誤解を解いておくと、私の読んだ柳瀬尚紀訳「フィネガンズ・ウェイク」は、一般的に良い訳と言われており、私自身も、よくここまで日本語に訳せたものだと思う。<br />
    が、それをおいても、やはり「フィネガンズ・ウェイク」は原文をしっかり読み味わえる人間が、原文のまま読むべき小説だと思う。<br />
    正直、私は、「フィネガンズ・ウェイク１～４」を通読し、読破したものの、何ひとつ理解できなかったと断言出来る。ほんとうに“何ひとつ”である。<br />
    こうした話題性の高い文学を目のあたりにしていながら、何ひとつ理解できない、ということは誠に情け無い。<br />
    この本を理解するだけの時間も無く能力も無い今の自分が大変不甲斐ない、と思う一方、ただ、このように敷居の高い文学は、私にとって理想の文学ではありえないという思いがある。
</p>
<p>
    <a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4309462340/kingyou-22/ref=nosim/" target="_blank" name="amazletlink" id="amazletlink"><img style="BORDER-RIGHT: medium none; BORDER-TOP: medium none; BORDER-LEFT: medium none; BORDER-BOTTOM: medium none" alt="フィネガンズ・ウェイク 1 (河出文庫)" src="http://ecx.images-amazon.com/images/I/51KHM6PXJEL._SL160_.jpg" /></a> <a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4309462359/kingyou-22/ref=nosim/" target="_blank" name="amazletlink" id="amazletlink"><img style="BORDER-RIGHT: medium none; BORDER-TOP: medium none; BORDER-LEFT: medium none; BORDER-BOTTOM: medium none" alt="フィネガンズ・ウェイク 2 (河出文庫)" src="http://ecx.images-amazon.com/images/I/51EZSKH09JL._SL160_.jpg" /></a> <a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4309202284/kingyou-22/ref=nosim/" target="_blank" name="amazletlink" id="amazletlink"><img style="BORDER-RIGHT: medium none; BORDER-TOP: medium none; BORDER-LEFT: medium none; BORDER-BOTTOM: medium none" alt="フィネガンズ・ウェイク〈3・4〉" src="http://images-jp.amazon.com/images/G/09/icons/books/comingsoon_books.gif" /></a>
</p>]]></description>
         <link>http://www.kingyou.org/arcives/2009/11/post_184.php</link>
         <guid>http://www.kingyou.org/arcives/2009/11/post_184.php</guid>
                  <category domain="http://www.sixapart.com/ns/types#category">BOOK</category>
        
                  <category domain="http://www.sixapart.com/ns/types#tag">ジョイス</category>
        
         <pubDate>Mon, 16 Nov 2009 00:31:27 +0900</pubDate>
      </item>
            <item>
         <title>「海」小川洋子</title>
         <description><![CDATA[<blockquote>
    <p>
        恋人の家を訪ねた青年が、海からの風が吹いて初めて鳴る“鳴鱗琴”について、一晩彼女の弟と語り合う表題作、言葉を失った少女と孤独なドアマンの交流を綴る「ひよこトラック」、思い出に題名をつけるという老人と観光ガイドの少年の話「ガイド」など、静謐で妖しくちょっと奇妙な七編。「今は失われてしまった何か」をずっと見続ける小川洋子の真髄。著者インタビューを併録。
    </p>
</blockquote>
<p>
    「ガイド」を読んで、私は地中海の明るいヨーロッパの風景を思い描いた。<br />
    この話の舞台が、いったいどこの国のどの辺りなのかなんていうことは、余り意味のある考察ではないし、恐らく正解は無いのだと思う。<br />
    きっと、この話の舞台は、読み手がそれぞれ好き勝手に思い描いていいものだと思うし、それでこそ、たくさんの人が一つの小説をそれぞれに読み味わうということの面白さになっていくのだと思う。<br />
    「ガイド」のような爽やかな物語の中で、読み手の自由を演出するなんて、偶然にしろ面白いなと思った。
</p><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4101215243/kingyou-22/ref=nosim/" target="_blank" name="amazletlink" id="amazletlink"><img style="BORDER-RIGHT: medium none; BORDER-TOP: medium none; BORDER-LEFT: medium none; BORDER-BOTTOM: medium none" alt="海 (新潮文庫)" src="http://ecx.images-amazon.com/images/I/51gL72C%2BcpL._SL160_.jpg" /></a>]]></description>
         <link>http://www.kingyou.org/arcives/2009/09/post_183.php</link>
         <guid>http://www.kingyou.org/arcives/2009/09/post_183.php</guid>
                  <category domain="http://www.sixapart.com/ns/types#category">BOOK</category>
        
                  <category domain="http://www.sixapart.com/ns/types#tag">小川洋子</category>
        
         <pubDate>Tue, 22 Sep 2009 01:53:51 +0900</pubDate>
      </item>
            <item>
         <title>「ミーナの行進」小川洋子</title>
         <description><![CDATA[<blockquote>
    <p>
        美しくて、かよわくて、本を愛したミーナ。あなたとの思い出は、損なわれることがない―ミュンヘンオリンピックの年に芦屋の洋館で育まれた、ふたりの少女と、家族の物語。あたたかなイラストとともに小川洋子が贈る、新たなる傑作長編小説。第四二回谷崎潤一郎賞受賞作。
    </p>
</blockquote>
<p>
    私の家はいわゆる転勤族だった。<br />
    ３歳の頃から高校を出るまでに、都合３回引越しをしている。<br />
    過去に育ってきたそれぞれの街を、ふと思いついて訪れてみると、変わっているところ、変わっていないところなどを見つけたりして、嬉しいような哀しいような、何ともいえない気持ちになる。<br />
    例えば、ここに自分がずっと住んでいられたら、今の自分とは違う人生になっていただろうかと思い巡らせてみるものの、もはやその街は自分にとってよその街でしかなく、やはり私は今在るようにしかならず、そして、今の生活以外に受け入れてくれるものはないと思える。
</p>
<p>
    「ミーナの行進」では、冒頭から誰かが居なくなるという哀しい伏線が引かれつづけており、病弱なミーナが死んでしまうのではないかという、哀しいストーリーを思い描きながら読み進めていた。<br />
    が、代わりにカバのポチ子が死に、ミーナは自分の足で生きていける逞しさを手にした。……この話の展開に何となく裏切られつつも、寧ろ裏切られて良かったなぁと嬉しくなった。
</p><a id="amazletlink" href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4122051584/kingyou-22/ref=nosim/" target="_blank" name="amazletlink"><img style="BORDER-RIGHT: medium none; BORDER-TOP: medium none; BORDER-LEFT: medium none; BORDER-BOTTOM: medium none" alt="ミーナの行進 (中公文庫)" src="http://ecx.images-amazon.com/images/I/41rL8NzNnnL._SL160_.jpg" /></a>]]></description>
         <link>http://www.kingyou.org/arcives/2009/09/post_182.php</link>
         <guid>http://www.kingyou.org/arcives/2009/09/post_182.php</guid>
                  <category domain="http://www.sixapart.com/ns/types#category">BOOK</category>
        
                  <category domain="http://www.sixapart.com/ns/types#tag">小川洋子</category>
        
         <pubDate>Tue, 22 Sep 2009 01:38:34 +0900</pubDate>
      </item>
            <item>
         <title>「犬のしっぽを撫でながら」小川洋子</title>
         <description><![CDATA[<blockquote>
    <p>
        数に隠されている神秘と美しさ。その偉大な真理に向き合う芸術家ともいえる数学者たち。ひとつの作品を生み出すきっかけや、小説へのあふれる想い。少女時代の『アンネの日記』との出会いとその後のアウシュヴィッツへの旅。そして天真爛漫な飼い犬や大好きなタイガースのこと。日々の中の小さなできごとや出会いを、素晴らしい作品へと昇華していく小川洋子の魅力あふれる珠玉のエッセイ。
    </p>
</blockquote>
<p>
    私も本を読むのが好きなので、通勤途中の電車の中で本を読んでいる人がいると、何を読んでいるのだろうと気になって仕方がなくなる。<br />
    本の厚みやその人の外見などからイロイロと想像してみたりするものの、実際に「何を読んでいるのですか？」などと声を掛けることはない。<br />
    それは当然。全く知らない他人にいきなり声を掛けたりする勇気はちょっとない。<br />
    しかし、この本のエピソードにあるように、学生時代には見ず知らずの人から「よく本を読んでるね。何読んでるの？」と声を掛けられたりすることが何度かあった。<br />
    まぁ、そこから会話が弾んだり恋愛や友情に発展したりなんてことはやはり無かったけれど。<br />
    読書という行為自体、孤独なものであるけれど、他者と本の感想などをやり取りしたり、共感したり、何ていうのも、偶にはいいものだと思う。
</p>
<p>
    いつもながら阪神タイガースの話も出てくる。<br />
    小川洋子の大人しそうな外見や作品の感じと、虎ファンのイメージはかなりミスマッチだ。<br />
    それゆえタイガースについて現役で熱く語ってくれたりすると「イイなぁ」とつい思ってしまうのである。
</p>
<p>
    <a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4087463923/kingyou-22/ref=nosim/" target="_blank" name="amazletlink" id="amazletlink"><img style="BORDER-RIGHT: medium none; BORDER-TOP: medium none; BORDER-LEFT: medium none; BORDER-BOTTOM: medium none" alt="犬のしっぽを撫でながら (集英社文庫)" src="http://ecx.images-amazon.com/images/I/41P4DApdJdL._SL160_.jpg" /></a>
</p>]]></description>
         <link>http://www.kingyou.org/arcives/2009/08/post_181.php</link>
         <guid>http://www.kingyou.org/arcives/2009/08/post_181.php</guid>
                  <category domain="http://www.sixapart.com/ns/types#category">BOOK</category>
        
                  <category domain="http://www.sixapart.com/ns/types#tag">小川洋子</category>
        
         <pubDate>Fri, 21 Aug 2009 10:32:59 +0900</pubDate>
      </item>
            <item>
         <title>「ピカレスク　太宰治伝」猪瀬直樹</title>
         <description><![CDATA[<blockquote>
    <p>
        「井伏さんは悪人です」。太宰が遺書に書いた言葉の意味は何だったのか?親兄弟、友人知人を騙り、窮地に陥る度に自殺未遂を起こした太宰。その太宰を冷徹に観察し、利用した井伏。二人の文士は、ともに「悪漢」であった。師弟として知られる井伏鱒二と太宰治の、人間としての素顔を赤裸々に描く傑作評伝ミステリー。
    </p>
</blockquote>
<p>
    今迄、作家の人となりについて、余り学ぶことはして来なかった。<br />
    作家について知るということは、只の文学史観的な勉強であり、小説を読み味わうということとは全く関係のない事柄－寧ろ、純粋に作品を読むことの障害になる……これは、学生時代から一貫している、小説に対する私の付き合い方である。<br />
    今回、偶々この本を本屋で見かけたこと。そして、太宰治という作家とは中学時代からの長い長い付き合いでもあることから、何となく、太宰治ってどんな人？という興味から読んでみている。
</p>
<p>
    太宰治については、これまで懐いていたイメージと変わるところがない。狂言としての自殺と小説世界と作家自身の世界との乖離。<br />
    特にここ最近太宰治を読み進めた結果、思ったことでもあるけれど、「晩年」「グッドバイ」「二十世紀旗手」辺りの特徴的な破滅っぷりを太宰治らしさと捉える反面、「新ハムレット」「ろまん燈篭」「右大臣実朝」に見られるような、単純にストーリーテーラーとしての上手さこそ、小説として評価するべきだということを感じた。<br />
    特に、「道化の華」辺りの自伝的作品群と「人間失格」を対比する考えは、今迄時系列的に読んでこなかったこともあり、当たり前のことかも知れないが、目からウロコの感じであった。
</p>
<p>
    併せて井伏鱒二についても色々と描かれている。<br />
    「黒い雨」は間違いなく戦後文学の金字塔であるが、その盗作疑惑について「増補」として綿々と説明を加えている。<br />
    その程度によりリライトという作業が“盗作”になるのか“参考”や“引用”になるのかということはあるのだろうが、正直私にとってはどうでもいい。<br />
    自分を含めた日本人が“オリジナル”に憧れたり、こだわる気持ちは、もう何となくうんざりで、いい加減、そんな価値観からは脱却して行きたいものだと思う。<br />
    ……ここで文頭に戻ることになるが、井伏鱒二という作家がどうだろうと、「黒い雨」という小説の内容は変わらないわけで。
</p><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4167431130/kingyou-22/ref=nosim/" target="_blank" name="amazletlink" id="amazletlink"><img style="BORDER-RIGHT: medium none; BORDER-TOP: medium none; BORDER-LEFT: medium none; BORDER-BOTTOM: medium none" alt="ピカレスク 太宰治伝 (文春文庫)" src="http://ecx.images-amazon.com/images/I/51HJD2hFUmL._SL160_.jpg" /></a>]]></description>
         <link>http://www.kingyou.org/arcives/2009/08/post_180.php</link>
         <guid>http://www.kingyou.org/arcives/2009/08/post_180.php</guid>
                  <category domain="http://www.sixapart.com/ns/types#category">BOOK</category>
        
                  <category domain="http://www.sixapart.com/ns/types#tag">猪瀬直樹</category>
        
         <pubDate>Thu, 13 Aug 2009 04:40:46 +0900</pubDate>
      </item>
            <item>
         <title>「惜別」太宰治</title>
         <description><![CDATA[<blockquote>
    <p>
        仙台留学時代の若き日の魯迅と日本人学生とのこころ暖まる交遊の描写を通して、日中戦争という暗く不幸な時代に日中相互理解を訴えた表題作。“アカルサハ、ホロビノ姿デアロウカ。人モ家モ、暗イウチハマダ滅亡セヌ”敗戦へとひた走る時代風潮に対する芸術家としての自己の魂を、若き頃からの理想像、源実朝に託して謳う『右大臣実朝』。太宰文学の中期を代表する2編を収める。
    </p>
</blockquote>
<p>
    学生時代の友人と久し振りに会い、飲みに行ったりすることがある。<br />
    当時は煙草を買う金もないくらい貧乏で、ひとに奢ってもらったり、どうやって安く飲むかを苦慮したりしていたものだけれども、社会人になると別にお金のことは気にせずに飲むことが出来る。<br />
    ようやく一息ついて昔の話をしたり、昔のようにバカなおどけ方をしてみたりしていくうちに、「お前も変わらねぇなぁ。」「相変わらずバカだなぁ。」と言われると嬉しくなったりする。<br />
    大して出世している訳でもなく、何とかサラリーマンをやれているというだけではあるけれど、ちゃんと自分のお金で好きに飲むことが出来るくらい成長したと実感する反面、やはり往時と変わらないことが、何故か嬉しく感じられる。
</p>
<p>
    「惜別」には日本に留学していた頃の魯迅の姿が描かれている。<br />
    語り手である日本人学生と松島で意気投合し、他国に蹂躙されている自国－中国の明日を医学の発展で切り開いていきたいと気炎を吐く魯迅の姿が瑞々しい。<br />
    しかし物語は進み、時局が暗く重苦しい展開をするのと同じく、魯迅も瑞々しさを失い、交流もどこかぎこちないものへと変わっていく。
</p>
<p>
    小説や映画であれば繰り返し読んだり観たりすることが出来るが、実生活は巻き戻しが出来ない時間の流れである。<br />
    その中で“変わらないこと”を尊いと思う気持ちは、抗し難い時間の流れに竿を刺す。<br />
    変わっていく魯迅の姿に、時間の儚さと哀しさを感じた。
</p><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4101006105/kingyou-22/ref=nosim/" target="_blank" name="amazletlink" id="amazletlink"><img style="BORDER-RIGHT: medium none; BORDER-TOP: medium none; BORDER-LEFT: medium none; BORDER-BOTTOM: medium none" alt="惜別 (新潮文庫)" src="http://ecx.images-amazon.com/images/I/51ZM88A6J6L._SL160_.jpg" /></a>]]></description>
         <link>http://www.kingyou.org/arcives/2009/08/post_179.php</link>
         <guid>http://www.kingyou.org/arcives/2009/08/post_179.php</guid>
                  <category domain="http://www.sixapart.com/ns/types#category">BOOK</category>
        
                  <category domain="http://www.sixapart.com/ns/types#tag">太宰治</category>
        
         <pubDate>Thu, 13 Aug 2009 03:43:40 +0900</pubDate>
      </item>
            <item>
         <title>「新ハムレット」太宰治</title>
         <description><![CDATA[<blockquote>
    <p>
        デカダンス文学の旗手、太宰のもう一つの面、天稟の文学的才能を存分に発揮した知性的作品群の中から、西洋の古典や歴史に取材した作品を収める。「ハムレット」の戯曲形式を踏みながら、そこに現代人の心理的葛藤と現代的悪の典型を描き込んだ表題作、全作品中もっとも技巧をこらした「女の決闘」、人生の本質的意味を数頁に結晶させた「待つ」ほか「古典風」「乞食学生」の全5編。
    </p>
</blockquote>
<p>
    太宰のもう一つの面……とあるが、この書もまた太宰に他ならない。
</p>
<p>
    小説というのは登場人物の意志がハッキリしており、それに従って彼らは発言し行動する。学校の国語のテストなんかでよくある“傍線Ａのときの主人公の心情を１００字以内で答えなさい”的な設問が成り立つのもその訳である。<br />
    しかし、いったい人間とはそんなものなのかどうか。常に葛藤を抱え、右へ左へ行き惑い、そして自分で自分のことをはっきりと捕らえられない。そんな“傍線Ａのときの主人公の心情”は誰しも計り知れないものであり、“神のみぞ知る”こそが、この設問の答えに他ならない。
</p>
<p>
    「新ハムレット」では、誰一人として嘘をついていない。<br />
    “嘘をついていない。”というと語弊があるが、自分のその時点の気持ちに対して嘘をついていないのである。<br />
    現代的悪云々とあるが、これは悪ではなく、普遍的人間の在り方でしかないと思う。
</p>
<p>
    「乞食学生」はただの夢落ちでしかないが、それでも飄々とした展開の面白い話だった。
</p><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4101006121/kingyou-22/ref=nosim/" target="_blank" name="amazletlink" id="amazletlink"><img style="BORDER-RIGHT: medium none; BORDER-TOP: medium none; BORDER-LEFT: medium none; BORDER-BOTTOM: medium none" alt="新ハムレット (新潮文庫)" src="http://ecx.images-amazon.com/images/I/61a1gNwWn6L._SL160_.jpg" /></a>]]></description>
         <link>http://www.kingyou.org/arcives/2009/07/post_178.php</link>
         <guid>http://www.kingyou.org/arcives/2009/07/post_178.php</guid>
                  <category domain="http://www.sixapart.com/ns/types#category">BOOK</category>
        
                  <category domain="http://www.sixapart.com/ns/types#tag">太宰治</category>
        
         <pubDate>Sun, 12 Jul 2009 14:57:53 +0900</pubDate>
      </item>
      
   </channel>
</rss>
