- September 22, 2009
- Category: BOOK
「ミーナの行進」小川洋子
美しくて、かよわくて、本を愛したミーナ。あなたとの思い出は、損なわれることがない―ミュンヘンオリンピックの年に芦屋の洋館で育まれた、ふたりの少女と、家族の物語。あたたかなイラストとともに小川洋子が贈る、新たなる傑作長編小説。第四二回谷崎潤一郎賞受賞作。
私の家はいわゆる転勤族だった。
3歳の頃から高校を出るまでに、都合3回引越しをしている。
過去に育ってきたそれぞれの街を、ふと思いついて訪れてみると、変わっているところ、変わっていないところなどを見つけたりして、嬉しいような哀しいような、何ともいえない気持ちになる。
例えば、ここに自分がずっと住んでいられたら、今の自分とは違う人生になっていただろうかと思い巡らせてみるものの、もはやその街は自分にとってよその街でしかなく、やはり私は今在るようにしかならず、そして、今の生活以外に受け入れてくれるものはないと思える。
「ミーナの行進」では、冒頭から誰かが居なくなるという哀しい伏線が引かれつづけており、病弱なミーナが死んでしまうのではないかという、哀しいストーリーを思い描きながら読み進めていた。
が、代わりにカバのポチ子が死に、ミーナは自分の足で生きていける逞しさを手にした。……この話の展開に何となく裏切られつつも、寧ろ裏切られて良かったなぁと嬉しくなった。


もみお(♂)


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