「雀」谷村志穂

 誰とでも寝てしまう。気に入ると、その男の部屋に居つく。それが雀という女―。彼女は社長の愛人として、心身共に満たされていた。そんな日々に不意打ちのように訪れた、バーテンダーとの恋。奔放?ふしだら?雀はその純粋さゆえに漂流していた。失恋の度にリストカットするレイ子。年下の男が好きなケイ。現状に不満な主婦の多恵子。帰らぬ男をじっと待つメリー。雀と、四人の女友だちの恋愛模様。

住む場所や食べるのに困って男と寝る女、失恋のためにリストカットする女など、個々の女性を見ると理解し難い人ばかりだけれど、何となく爽やかに彼女たちの生活を追いかけていけた。
最終的にみんなで共通の夢に向かってGO!というのが、出来過ぎのようにも思うけれど、個々の女性が幸せになれるだろうとホッと一息である。

現実の世界でも、雀のように漂流しながら生活をして行ける人を偶に見かける。
誰とでも寝るとかいうのとは別ではあるが、男性で仕事のために連日カプセルホテル住まいとか今の職場でもあるのだけれど、私はそういう生き方はどうしても出来ない。
たとえ寝る時間が1時間となくても、タクシーで帰ることとなっても、やはり自分の家と決まった場所に戻らなくては生きているという感じがなくなり、一日が終わり翌日となったという気がしない。

雀 (新潮文庫)

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