「ろまん燈籠」太宰治

小説好きの五人兄妹が順々に書きついでいく物語のなかに、五人の性格の違いを浮き彫りにするという立体的で野心的な構成をもった『ろまん燈籠』。太平洋戦争突入の日の高揚と虚無感が交錯した心情を、夫とそれを眺める妻との両面から定着させた『新郎』『十二月八日』。日本全体が滅亡に向かってつき進んでいるなかで、曇りのない目で文学と生活と戦時下の庶民の姿を見つめた16編。

この本に収められた作品は、太平洋戦争が始まった辺りの時代背景がよく現れている。
私は文物から見聞きした程度のことしか分からないけれど、思想統制などが厳しくなってきただろう時代でもあり、小説家のように世の中に何かを発表して生活していくような職業は特に神経を使ったのではないだろうか、と思う。
そのような中で、小説家も戦争に異議を唱えなかった、または、その時代の流れに乗ってモノを書いたということで、戦争責任なるものを考える場合がある。
確かに対外的、または厳密な意味では、それはそうである。何も異議を唱えなかったというだけでも充分に罪は罪であるだろう。
が、そんなことはまぁ、どうでもいいのである。……自分自身、そういう時代に生まれていたならば、自分や家族を守るために、軍国主義化、戦争突入に対し、どんなに違和感を感じていようと、右へ習えしていたに違いないと思う。

特に面白かったのは『ろまん燈籠』。
5人兄妹での連作。それぞれの性格の違いをきちんと書き分けているところが面白い。
私は本を読むことも、文章を書くことも好きであったけれど、身の廻りにそうした趣味を深く共有する仲間がいなかったので、何となくこの兄妹が羨ましくも思えた。

ろまん燈籠

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Comments

Posted by 麻ゆん

もみおさん、こんにちは。大変ご無沙汰しております。
お知らせが遅くなりましたが、11月の始めにキヌを退会しました。
キヌでは色々とありがとうございました。一言お礼が言いたくてこちらにお邪魔させてもらいました。現在はmixiに生息しています。

相変わらず本をたくさん読まれていますね! 私も最近は結構読んでいるのですが、ライトノベルばかりです(苦笑)
またどこかでお話出来るといいですね。どうぞお元気でお過ごしください。

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