- November 11, 2007
- Category: BOOK
「天の夕顔」中河与一
本当にあの人だけは愛しつづけました--<わたくし>が愛した女には、夫がいた。学生時代、京都の下宿で知り合ったときから、<わたくし>の心に人妻へのほのかな恋が芽生え、そして二十余年。二人は心と心の結び合いだけで、相手への純真な愛を貫いた。ストイックな恋愛を描き、ゲーテの『ウェルテル』に比較される浪漫主義文学の名作。英、仏、独、中国語など六カ国語に翻訳された。
あらすじだけを捉えれば、ただの不倫ドラマ。だけれど渡辺淳一の映画やドラマにあるようなべったりとしたいやらしさがない、飽くまでも切なく美しい。
それは”ストイックな恋愛”だからであるのだと思う。
しかし一方、”ストイックな恋愛”なんて、現代の感覚からすると恋愛の本質ではないような気がする。恋愛の本質をもっとグロテスクに誇張して描けば渡辺淳一のようになるのだろうけれど、やはり読み物として、”ストイックな恋愛”を読んでみたいと私は思う。

もみお(♂)


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